03年3月、しばらくの間ミーヤの姿が見えない時期があり、心配していると近所の人が情報をくれた。なんでもミーヤは近所のボス猫とケンカをしたようで目に損傷を負ったらしい。棲み家にしていた空家の近くに「病院に連れて行きました。」というむねの貼紙があったようだ。すでに貼紙は無かったが、この猫の事を心配した奇特な方が病院で治療をさせているようだった。翌月になってから現地に行くと正面から走り寄ってくる猫の姿があった。ミーヤだった !! 大きな損傷だったらしい左目はきれいに縫合され、すっかり元気になって返され何事もなかったかのように仲間と遊んでいる姿を見ると、改めて病院まで手配してくださった方に感謝した。これで左前肢・左目を失ったことになるが、周囲の方の愛情を受けつつ凛として生き抜いていた。それにしてもミーヤはメス猫、別のグループのボス猫とケンカをした ? という情報には納得がいかなかった。

　ミーヤ達の所に通いはじめて２年が経とうとしたある日、棲みかにしていた空き家が取り壊されはじめ、空き地も再開発の工事がなされていた。この場所が道路になるらしい。かくして工事はどんどん拡張し、周辺はさら地になってしまった。８匹の猫は姿を消したもの、付近の民家の庭先に逃げ込んだものと分散を強いられた。ミーヤは100mほど離れた古い木造のアパートの縁側に単独でひそんでいた。この子達の将来を案じつつも、最後にミーヤと会ったのは寒さも厳しくなった04年11月下旬であった。以降、年が明けても会える可能性を信じて足を運び、周囲の方にも情報を求めたがミーヤの行方を知る人とは出会えなかった。誰かいい人に飼われていれば !? 幸いだが・・・・結局、05年1月26日まで捜し歩いた。
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　あれから、ちょうど３年の月日が経った08年1月14日、見知らぬ方からの１通のメール。N さんという方から「 H Pで拝見した猫はウチにいます。」という内容だった。驚いた !! 遠慮を抑えきれずに「１度でいいからミーヤに会いたい。」と素直な気持ちを伝えたところ快く歓迎していただき、後日３年ぶりのミーヤと対面することができた。N さんご夫婦のお家には１匹の犬と10匹の猫が温かい愛情のもとに暮していて、ミーヤは『 ハナ 』となり、大の仲良し猫のムサシといっしょに寝そべっていた。N さんの奥様が当時のミーヤの事を不憫に思い、04年12月14日に保護し、以来「ハナちゃん」として飼われていたのだった。ハナちゃんの好物は海苔。合計11の命は1度は身勝手な人に見捨てられた命。心優しいご主人と明るく慈悲深い奥様の愛に包まれて幸せに暮していた。