クマ ( ♂・2歳 ) 【東京都狛江市】
飼い主が今は飼える環境にないため、河川敷に預けてあるポメラニアン。


 捕獲器での作業が無理と判断。次なる提案をだしてくれたのは Y さんだった。犬用のサークルを使っての捕獲に挑戦することになり早急にサークルを購入。ドアを開けたままにして中にエサを入れ、夜間に食べているかどうかをチェックすること約2週間。捕獲するときの扉は手製で、閉める際はリモコン式と手動式の2種類を製作するものの、リモコン式は近くを往来するトラックなどの影響で電波が妨害される可能性があるので手動式を使用。長いヒモを引っ張れば扉は閉じる仕組み。そして決行の当日となった。

 捕獲には大きなプレッシャーがあった。ふだん親子で姿を現すのが通例だが、最も警戒心の強いエバを先に捕獲しないことには子供が捕獲されたのを見ると、2度とここには姿を現さないだろうという予測があった。しかも、深夜大きな音をたてて落ちる手製の扉を閉めるタイミングは失敗なしの1回限りという条件つき。夕方からの待機にも緊張が走る。 20時35分、猫がサークルに入りエサを食べて去って行った。



 22時15分、約100m前方からエバがクロを伴って姿を現した。いつものように強い警戒心から前後左右、落ち着きなく走りながらサークルに近づき、最初にクロが中のエサをくわえて外に持ちだし食べる。続いてエバも同様の行動、そしてクロが2回目。ヒモを引く重要な役割の Oさんも闇の中では犬の動きを目視するのは不可能なため、別の場所で見張っている Nさんの携帯電話からの合図が頼り。そして、エバがサークルの中に入ること4回目、22時21分絶妙のタイミングで扉は落ちた。すぐにビニールシートで囲み、周囲の物を使いサークルをしっかりと固定した。

 犬用ケージを設置してから約4ヶ月、親子の中でも最優先にと目標にしていたエバの捕獲に成功 !!作業を終えた Oさん、そして Aさんが固い握手を求めてくれた。

                                                        


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